輸送包装試験における試験規格とは?代表的な試験規格を解説

輸送包装試験を実施することで、輸送時に発生する衝撃や振動が製品に与える影響について評価することができます。その実施条件や評価方法については、様々な試験規格で定められています。本記事では、規格に基づいて輸送包装試験を実施するメリットや輸送包装試験に関連する代表的な試験規格について解説します。
目次
規格に基づいた輸送包装試験を実施するメリット
そもそも、なぜ規格に基づいて輸送包装試験を実施するのでしょうか。
規格に基づいて輸送包装試験を実施することにはいくつかのメリットがあります。
短い期間と少ないコストで輸送時の外的要因を評価できる
輸送時には振動、衝撃、圧力、湿度などの外的要因が製品に作用します。輸送環境データを収集し、その環境を再現するには時間やコストがかかります。一方で、規格に基づく試験を行うだけであれば、様々な条件に応じて想定された輸送環境による外的要因を実際に輸送することなく評価することができます。
比較可能な試験条件で評価できる
条件を定めずに輸送状況のシミュレーションを行った場合、過去の試験データや従来の荷姿との比較が困難です。一方で、試験規格に基づいた輸送包装試験であれば、同じ条件で実施された他の試験と対照的な評価が可能であり、改善効果の定量的な検証にも役立ちます。
客観性と信頼性を保証できる
広く認知された試験規格に基づく試験を実施することで、試験結果の客観性と信頼性が高まります。特に顧客やパートナー企業への品質証明として有効であり、クレーム対応にも貢献します。
輸送包装試験に関連する代表的な試験規格
では、輸送包装試験に関連する試験規格にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは代表的な試験規格についてご紹介します。
JIS規格
日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、日本国内で広く利用されている規格であり、多用な分野における試験方法や品質管理の基準を提供しています。輸送包装試験に関連する規格としては「JIS Z 0200 包装貨物-性能試験方法一般通則」があり、輸送中の製品が受ける振動や衝撃、落下、圧縮の影響を評価・確認するために用いられます。後述のISO規格を引用しつつ、路面状況の良し悪しに応じた試験条件が追加されているなど、日本の輸送環境を考慮して変更が加えられている点が特徴です。
ISO規格
国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)は国際的に通用する規格を提供する機関です。輸送包装試験に関連する規格としては「ISO 4180」が代表的であり、梱包貨物の落下や振動、圧縮に関する試験を規定した国際的な規格となっています。「ISO 4180」が前述の「JIS Z 0200」の基となっているように、ISO規格は他の規格で参照されることが多くあります。
ISTA規格
国際安全輸送協会(ISTA:International Safe Transit Association)は輸送中の製品保護を目的として試験規格を提供する国際的な非営利団体です。輸送中に製品が受ける物理的なダメージを評価するための規格を幅広く整備しており、簡易的な性能確認から実際の輸送条件に近い複雑な試験まで幅広く対応可能です。物流環境や包装形態によって試験規格が細かく規定されており、定められた試験方法や手順に従うことで認定を得られる方式も採用している点が特徴です。
ASTM規格
米国試験材料協会(ASTM:American Society of Testing and Materials)は材料や製品の品質・性能を評価するための規格を提供する、世界最大級の規格開発機関です。さまざまな業界向けに試験規格を策定しており、製品安全性や信頼性の向上に寄与しています。輸送包装試験にも多くの規格があり、「ASTM D4169」では、輸送用コンテナ及びシステムの性能試験について定めらています。上記3つの試験規格と異なり、航空機による輸送を想定した振動試験条件も用意されているという点が特徴です。
まとめ
輸送包装試験に関連する試験規格はそれぞれに特徴があり、輸送中に製品が受ける影響を様々な観点から評価することができます。これらの規格に基づいた試験を実施することで、コスト削減、品質向上、信頼性確保がなどに繋がります。自社製品の安全性を確保し、市場での競争力を維持・向上させるために、ぜひ試験規格に基づく輸送包装試験を検討してみてはいかがでしょうか。
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