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リチウムイオンバッテリー輸送の法改正で今までの梱包はNGになる?最新の規制について解説!

記事公開日:
リチウムイオンバッテリー輸送の法改正で今までの梱包はNGになる?最新の規制について解説!

リチウムイオンバッテリーの取り扱いに関する消防法の改正が進んでいます。2025年3月には「運搬」に関する規制の改正が実施されました。この改正をもって、 保管・荷さばき・運搬 という一連の作業すべてについて、法令上の見直しがひととおり整ったといえます。

消防庁はこれらの改正を、リチウムイオンバッテリーの円滑な流通を後押しする“規制緩和”と位置づけている一方で、 基準が明確化されたことで、これまで慣例的に行われていた輸送方法が法令違反とみなされる可能性も出てきました

この記事では、リチウムイオンバッテリーの持つリスクや、これまでの輸送の現状、そして改正法の具体的な内容と今後の方向性について解説します。あわせて、 安全かつ法令を順守した輸送を行うためのポイントも紹介 しますので、現場でリチウムイオンバッテリーの物流に携わる方々にとって、今後の対応を検討する際の参考になれば幸いです。

リチウムイオンバッテリーを巡る消防法規制の現状

リチウムイオンバッテリーは、電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電システム、スマートフォンなど、私たちの暮らしや産業に欠かせない存在となっています。こうしたバッテリーの需要拡大にともない、 効率的な保管や輸送が求められる一方で、従来の法制度では対応しきれない課題も浮き彫りになってきました

このような背景から、消防法をはじめとする関連法令では、リチウムイオンバッテリーの物流容器に特化した規制の見直しが進められています。具体的には以下のように、 用途ごとに段階的な法改正が実施されてきました

リチウムイオンバッテリーの物流容器に関する法改正の経緯
  • 2024年7月:保管に関する法改正の施行
  • 2024年12月:荷さばき(取り扱い)に関する法改正の施行
  • 2025年3月:運搬に関する法改正の施行(最新)

この一連の見直しによって、バッテリーの保管から出荷、運搬に至るまで、 物流プロセス全体が新たな法体系でカバーされる ことになりました。

本記事では、その中でも特に 2025年3月に施行された「運搬」に関する改正 に焦点を当てて解説します。

なお、 保管・荷さばきに関する法改正の内容については、以下の記事でも詳しく紹介 しています。関心のある方はぜひご覧ください。

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リチウムイオンバッテリーの輸送の現状

これまでのリチウムイオンバッテリー輸送の背景

リチウムイオンバッテリーの輸送に関しては、これまで明確な法的基準がなく、各事業者が試行錯誤しながら対応してきたのが実情です。リチウムイオンバッテリーに含まれる電解液の多くは、消防法上「第4類引火性液体」に分類され、 「危険物」としての取り扱いが求められる対象 です。このため、本来は日本舶用品検定(HK)や危険物保安技術協会(KHK)などの認証を受けた危険物用の容器に梱包する必要がありました。しかし、実際の運用ではその規定が現場にそぐわず、結果として「グレーゾーン」の中で各社が判断をしてきたのが実情でした。

たとえば、リチウムイオンバッテリーのセルは、 樹脂製の箱に複数個まとめて収納 し、それをパレットに積み重ねて輸送する方法がよく見られます。また、使用済みEVから取り外された大型バッテリーモジュールなどは、各社サイズもバラバラなため 専用容器の確保が難しく、木製パレットに固定してそのまま裸の状態で運ばれるケース も多くあります。

こうした手法には一定の実務的なメリットもあります。例えば、梱包資材の調達や廃棄の手間を抑えられる点や、ドライバーが荷受け時に目視・触診で異常を確認できるといった理由から、コスト・効率を重視した輸送体制として長く採用されてきました。

事故のリスク

一方で、防火安全の観点から見ると課題も明らかです。樹脂容器の耐火性は決して高くなく、万が一セルが発火した場合には 容器自体が燃える事による延焼の危険性 があります。また、樹脂製の容器は水や消火剤が内部に浸透しづらく、初期消火の妨げになるケースも考えられます。さらに、パレットにむき出しの状態で積載されたバッテリーでは、火花や発火が周囲に直接飛び火するリスクもあり、万が一の際には 車両火災など深刻な事故につながるおそれ も否定できません。

このように、これまでの輸送方法は「実用性を重視した現場対応」と「安全性を担保する法的基準」とのあいだでバランスを取りながら進められてきました。しかし、基準が明確でないことに起因する不安定さやリスクが潜在的に存在していたのも事実です。

こうした現場の課題や実態を踏まえ、今回の 法改正ではリチウムイオンバッテリー輸送のルールが明確化 されました。 次章では、その具体的な改正内容と現場への影響について詳しく解説していきます。

リチウムイオンバッテリーの輸送に関する消防法改正の内容

改正のポイント

2025年3月に施行された消防法関連の改正では、リチウムイオンバッテリーの「運搬」に関するルールが大きく見直されました。これにより、これまで曖昧だった「どんな荷姿で運べば適法なのか?」という点について、より具体的な選択肢が明示されました。

今回の改正のポイントは、一定の条件を満たす場合には、 従来求められていた危険物容器への収納が不要となる特例が認められた ことです。つまり、「梱包の形態」によっては、危険物容器に収めなくても合法的に積載・輸送できるというルールが新設されたのです。

運搬時に認められる特例的な積載方法(危規則 第四十三条の三等)
  1. 定められた基準に適合する蓄電池を水が浸透する素材(例:段ボールなど)または鋼製容器で包装・梱包する方法
  2. 定められた基準に適合するキュービクル式の設備により運搬する方法
  3. 一定の耐火性能を有する箱(耐火性収納箱)に入れる方法
  4. 試験または研究に用いられるリチウムイオン蓄電池を保安上支障がない方法で運搬する方法

この中で特に注目すべきは、3 の 一定の耐火性能を有する箱 です。消防庁の技術基準では、耐火性・強度・構造安定性などが厳密に定められており、それらに適合した耐火性収納箱であれば、 明確に法令適合の輸送手段として認められます。また、1 の場合、包装・梱包する対象が「定められた基準に適合する蓄電池」に限定されている点にも注意が必要です。例えば中古品や不良品のリチウムイオンバッテリーについては適合しない可能性もありますので、よく確認する必要があります。

一貫輸送の実現

加えて重要なのは、今回の改正により、 この耐火性収納箱が唯一「保管・荷扱い・運搬」すべての工程で一貫して適法な荷姿として扱える という点です。

たとえば段ボール梱包は、運搬については水の浸透性があることから特例の対象とされていますが、同じ荷姿のまま長時間保管したり、倉庫内で取り扱ったりする場合は、耐火性や強度面で基準に満たないと見なされる可能性があります。つまり、輸送前後に 梱包の入れ替え(荷姿の変換) が必要となるケースが多く、そのたびに手間とコストが発生します。

一方で、 耐火性収納箱であれば、輸送中はもちろん、保管中・荷扱い時も同じ荷姿のまま法令適合が維持される ため、トータルで見れば非常に効率的です。

また、キュービクル式の設備も一貫して適法ではあるものの、これは製品そのものが筐体に組み込まれた形状であることが前提です。たとえばEV用バッテリーパックやモジュールのように、 そもそもキュービクル化されていない製品については適用できません。 そうしたケースでは、 梱包手段としては「耐火性収納箱」が一貫して法令対応できる唯一の選択肢 となります。

一貫性のある荷姿がもたらすメリット
  • 梱包変更の手間を削減:輸送・保管・荷扱いのたびに荷姿を変える必要がなく、業務効率アップ。
  • コンプライアンスリスクの軽減:各工程での法令適合性を確保できるため、監査や消防確認もスムーズ。
  • 物流の標準化:自社・委託先・顧客企業を含めて、一貫した梱包仕様で運用が可能。

このように、法改正によって柔軟な選択肢が広がった一方で、 長距離輸送や複数拠点での保管・荷扱いを前提とする現場では、やはり「一つの箱で全部対応できる」かどうかが大きな差になります。

それでは、こうした背景を踏まえ、どのような対応が求められるのでしょうか。法改正によって物流現場で求められる対応について見ていきましょう。

法改正によって受ける影響

法改正による規制緩和と基準の明確化

今回の法改正により、リチウムイオンバッテリーを取り扱う企業や現場では、自社の梱包・輸送方法が新たなルールに適合しているかをあらためて確認する必要が出てきました。消防庁はこの改正を 「規制緩和」 と位置づけており、実際に今まで認められていなかった包装・梱包の方法が適法とされるようになりました。一方で基準が明文化されたことにより、従来の手法の一部については、今後の運用上、再検討が求められる可能性も出てきています。

たとえば、パブリックコメントには、「樹脂箱にバッテリーセルを収納し、パレット上に段積みして運搬している」といった実態を踏まえた意見が複数寄せられました。このような梱包方法が新しい特例の対象となるかを問う声に対し、総務省は「水が浸透する素材または鋼製の容器による梱包・包装」「耐火性を有する箱への収納」「キュービクル式の設備による運搬」などに該当しない場合は対象外とする考えを示しています。これにより、 これまでの慣例的な荷姿の一部は、改正後の制度下では特例適用外となる可能性がある ことが明らかになりました。

工程をまたいだ荷姿の考慮

また、今回の特例のうち「段ボール梱包」は輸送時には適用されるものの、指定数量を超える場合、一般の倉庫ではそのままの状態で保管や荷扱いはできず、別途定められた技術的基準を満たす荷姿に変換する必要があります。工程ごとに荷姿を切り替える場合には、再梱包の手間や運用コスト、在庫管理の複雑化といった影響が想定されます。

こうした背景をふまえると、今回の法改正は輸送現場に柔軟な選択肢を提示する一方で、 実務面では工程をまたいだ運用全体を見据えた荷姿設計が求められる局面 とも言えます。すなわち、安全性・効率性・法令遵守を両立させるためには、すべての工程を同一の梱包形態で一貫できるかどうかが、今後の現場設計において重要な視点になってくるでしょう。

保管・荷扱い・輸送を一つの荷姿で完結。Lib-BOXのご紹介

改正後の消防法では、輸送時に適法とされる梱包形態が明示され、その中でも「一定の耐火性能を有する箱」は、保管や荷扱いも含めて制度上カバーされる数少ない選択肢となりました。工程ごとに荷姿を切り替える必要があるケースも多い中で、 一貫して使える梱包手段の有無は、実務設計において重要なポイント になりつつあります。

安全基準に合致したリチウムイオンバッテリー専用の保管・輸送容器

「Lib-BOX」 はこうした要件に対応する有力な選択肢のひとつです。

親和パッケージ株式会社が開発・販売する「Lib-BOX」は、消防庁が定めた耐火性収納箱の技術基準に準拠した、リチウムイオンバッテリー専用の収納・輸送用ボックスです。

Lib-BOXは 日本で初めてKHK(危険物保安技術協会)の性能評価試験に合格し、認証マークを取得 した耐火性収納箱です。Lib-BOXを活用することにより、保管から輸送まで荷姿を変えること無く一貫した荷扱いが可能になります。制度に適合していることはもちろん、 現場の作業性や安全性にも配慮された設計 が特徴です。

段ボールや樹脂ケースではカバーしきれない要件を確実に満たしながら、梱包の標準化とリスク低減を同時に実現できることから、さまざまな輸送・保管現場での活用が進んでいます。

また、レンタルにも対応しているため、試験的に運用し、徐々に利用範囲を広げていくといった柔軟な運用も可能です。

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制度適合と現場実装を両立する選択を

リチウムイオンバッテリーは、今後ますます社会インフラの中核を担う存在となっていく一方で、その取り扱いには高い安全性と法令順守が求められます。今回の消防法改正により、輸送に関する規制が明確化されたことで、これまで曖昧だった判断基準が可視化され、 事業者が適切な対応を選択するための前提が整った とも言えます。

とはいえ、制度に適合していることはもちろんのこと、それを現場で無理なく運用できるかどうかも同じくらい重要です。特に物流の現場では、「安全」「効率」「コスト」のバランスをいかに取るかが常に課題となります。

今回ご紹介した耐火性収納箱という選択肢は、そのすべてを両立しやすくするための一つの実務的な解決策です。制度面からの裏付けがあることに加え、作業者の負担軽減や保管スペースの有効活用といった現場目線の利点も多く、 荷姿の標準化や安全対策の強化を進めるうえで有効な手段 となるでしょう。

制度の変化は、単なる制約ではなく「見直しのきっかけ」でもあります。今回の改正を機に、輸送・保管・荷扱いのプロセスがどこまで対応できているかを再確認し、必要に応じた備えを進める機会になれば幸いです。

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