物流現場でこんなお悩みはありませんか?トラックやコンテナで運んだ荷物が崩れてしまい、製品が破損したり、納品先からクレームを受けたり…。これらのトラブルは、現場の作業安全性に悪影響を及ぼすだけでなく、物流コストの増加や企業のイメージダウンにまでつながりかねません。
荷崩れは、「仕方がない」と諦めてしまいがちですが、実は適切な対策を取れば防止できます。本記事では荷崩れの原因を深掘りし、荷崩れを防止するための具体的な対策をご紹介します。「荷崩れをなくす方法が知りたい」「具体的な対策を実践してみたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
荷崩れの原因とリスク
そもそも輸送中の荷崩れは、なぜ起こるのでしょうか?その背景には、複数の要因が絡み合っています。
荷崩れの主な原因
以下の要因によって荷崩れは起こります。
- 不適切な積載方法
荷物の配置や重心の位置が適切でない場合、輸送中の振動や衝撃で崩れるリスクが高まります。たとえば、重い荷物を上部に配置してしまう、隙間が大きすぎて荷物が動いてしまうといったケースです。
- 固定具や梱包材の不適合
固定具や梱包材は輸送中の振動や衝撃を吸収する役割を果たします。そのため、固定具や梱包材が不十分または不適切である場合も問題です。たとえば、ストレッチフィルムの強度や巻き数が足りないと、荷崩れが発生してしまいます。
また、経年劣化や環境の変化にも注意が必要です。特に湿気の影響は大きく、水分を含んだ段ボールやカビの発生した木材、錆びた金属などは強度が落ちます。
- 過酷な輸送環境
トラックや船舶での輸送中に、カーブや急ブレーキによって荷物に大きな力が加わることでも荷崩れは発生します。また、悪天候や路面状況など予測できない外部要因も影響します。
荷崩れによるリスク
荷崩れが引き起こす問題は多岐にわたり、現場作業や企業活動に影響を及ぼします。
- 現場での災害
荷崩れが発生することで、トラック運転手や倉庫作業員が危険な状況にさらされるケースもあります。特に、高く積み上げられた荷物や重い荷物は、崩れた場合のリスクが大きいです。
- 物流コストの増加
荷崩れによる製品の破損や返送、再発送の費用はもちろん、これに伴う作業時間のロスも無視できません。また、梱包材や輸送に対して追加費用が発生することもあります。
- 信頼の低下
荷崩れによる製品破損や納品遅延が、取引先や顧客からの信頼を損ねる原因になります。特に大切な取引先の場合、一度のミスが長期的な機会損失のきっかけになる可能性も。
輸送時には荷崩れのリスクがつきものですが、その影響は決して小さくありません。こうしたリスクを低減するためにはどうすれば良いのでしょうか?具体的な対策をご紹介します。
荷崩れ防止のための具体的な対策
荷崩れを防ぐには、原因を踏まえた適切な対策を講じることが重要です。ここでは、効果的かつ具体的な手法を紹介します。少しの工夫で、荷崩れのリスクを大幅に低減することができます。
荷崩れしない積載方法を採用する
荷崩れの多くは、積載方法の不備が原因です。以下のポイントを押さえて積載を工夫しましょう:
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重い荷物は下、軽い荷物は上に配置することで、全体の重心位置を低く保つ。
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隙間の少ない積載や高さの揃った積載を心掛け、荷物の移動を防ぐ。
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荷物の高さを制限し、転倒を防止する。
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段ごとに箱の向きを変えるなど、崩れにくい形で荷物を積む。
固定具や梱包材の活用
輸送環境を考慮し、適切な固定具や梱包材を使用することで荷物を安定させることができます。
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ラッシングベルトやバンド、ロープなどを使って荷物を固定する。
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ネットやストレッチフィルムで荷物全体を包む。
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滑り止めシートや仕切りを荷物の下や荷物の間に挟む。
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振動吸収型の緩衝材を取り付ける。
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耐久性のある輸送容器に荷物を載せる。
包装試験による検証と改善
荷物の積載方法や固定具の耐久性を事前に検証することも重要です。しかし、輸送時と同じような振動や衝撃を荷物に与えるにはどうすれば良いのでしょうか。その手段の一つとして、包装試験があります。
弊社が保有する日本最大級の包装試験センターでは、幅広い包装試験を実施することが可能です。3軸同時大型振動試験機は輸送環境で発生する振動を再現でき、包装設計や積載方法の改善に役立てられます。試験の際は高度な知識を有する専門スタッフが立ち会いますので、ぜひ安心してお任せください。
まとめ
荷崩れは、輸送現場で多くの企業が直面する共通の課題です。しかし、その原因を正確に把握し、適切な対策を講じることでリスクを大幅に軽減することができます。
今回ご紹介した内容をもとに、積載方法や梱包材を一度見直してみてはいかがでしょうか。