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物流効率化法とは?2026年施行で企業に求められる物流改善と対応策

記事公開日:
物流効率化法とは?2026年施行で企業に求められる物流改善と対応策

 

2026年4月、物流効率化法が全面施行されました。

背景にあるのは、いわゆる「物流2024年問題」です。ドライバー不足や時間外労働規制の強化により、従来の物流体制では将来的に輸送能力が不足すると懸念されています。

国の試算では、対策を講じなければ2030年度には国内輸送能力の約34%が不足する可能性も指摘されています。

こうした状況を受け、国は物流を単なる運送サービスではなく、社会インフラとして維持していくための制度整備を進めています。その中心となるのが、改正された物流効率化法です。

物流効率化法への対応は、単なる法令順守にとどまらず、物流コストの削減や安定供給、企業競争力の向上にもつながります。本記事では、制度の概要とともに、物流効率化を実現するための具体的な取り組みや包装・梱包が果たす役割について解説します。

荷主企業にも物流改善の責任が広がる

今回の改正で最も大きな変化は、物流効率化の責任が運送会社だけでなく荷主企業にも広がったことです。

2025年には全ての荷主・物流事業者に対して「積載効率の向上」や「荷待ち時間の短縮」、「荷役時間の削減」に取り組む努力義務が課されました。そして2026年からは、一定規模以上の事業者に対して具体的な義務が適用されています。

年間9万トン以上の貨物を取り扱う企業は「特定荷主」として指定され、貨物重量の届出や中長期計画の策定、取組状況の定期報告などが求められます。

さらに、物流施策を統括する物流統括管理者(CLO)の選任も必要となり、物流効率化はもはや現場任せではなく、企業全体で取り組むべき経営課題として位置付けられています。

2段階施行のスケジュール

時期 内容
2024年5月15日 改正法公布
2025年4月1日 第一段階施行。全荷主・物流事業者に努力義務適用。
2025年8月29日 関係政省令公布。
2026年4月1日 第二段階・全面施行。特定事業者への義務適用開始。
2026年5月末 特定荷主の届出期限(毎年度)。
2026年10月末 中長期計画の提出期限(初年度特例)。
2027年7月末 定期報告の初回提出期限(毎年度)。

改正法の施行は2ステップで進みました。

  • 2025年4月:すべての荷主・物流事業者に「努力義務」が適用。
  • 2026年4月:一定規模以上の「特定事業者」に対し、計画策定・報告・CLO選任が法的義務として本格適用。

2026年4月の全面施行により、一定規模以上の事業者には具体的な義務が課されることとなりました。まずは自社が対象となる事業者に該当するかどうかを確認することが重要です。



「特定事業者」に指定されるのはどの企業か

特定事業者とは?

物流効率化法では、一定規模以上の貨物を取り扱う荷主や物流事業者を「特定事業者」と定めています。

特定事業者に指定されると、届出や計画策定、定期報告などの義務が課されます。

主な対象事業者は以下のとおりです。

特定第一種荷主

自社の事業のためにトラック事業者などと運送契約を直接結んでいる荷主を指します。

年度内の取扱貨物重量が合計で9万トン以上ある事業者が、この区分として指定を受ける対象になります。

主に荷物を発送する側の製造業者などが該当しますが、自ら運送手配を行う着荷主もこの区分に含まれることがあります。

特定第二種荷主

自ら運送契約は結ばないものの、継続的にトラックドライバーと荷物の受け取りや引き渡しを行っている事業者のことです。

この区分も、年度の取扱重量が合計で9万トン以上になると特定事業者に指定されます。

運送契約は取引先が結んでいるが、自社の施設で荷物を受け取る側の卸売業者や小売業者が主に該当します。

特定連鎖化事業者

いわゆるフランチャイズチェーンの本部を指します。

加盟店とトラック事業者との間で行われる荷物の受け渡しについて、その日時や時間帯を本部の立場で指示できることが条件になります。

年度の取扱貨物重量が9万トン以上である場合、特定事業者としての義務を負うことになります。

特定貨物自動車運送事業者等

一定以上の輸送能力を持っているトラック運送事業者のことです。

年度末時点で保有している事業用自動車の台数が、合計で150台以上ある事業者が指定の対象となります。

多くの車両を動かして大規模に運送事業を展開している企業が、この区分に該当します。

特定倉庫業者

大規模に貨物の保管業務を行っている倉庫業者で、年度内に入庫された貨物の保管量が合計で70万トン以上ある場合に指定を受けることになります。

倉庫業法に基づき登録を受けて営業している事業者のうち、特に取扱量の多い企業がこの区分に該当します。


特定事業者の主な指定基準

区分 指定基準 対象企業数(概算)
特定第一種荷主(発荷主) 運送委託貨物 年間9万トン以上 約3,200社(荷主・連鎖化含む)
特定第二種荷主(着荷主) 受渡し貨物 年間9万トン以上 同上
特定貨物自動車運送事業者等 保有車両150台以上 約790社
特定倉庫業者 保管量70万トン以上 約70社
特定連鎖化事業者 取扱貨物 年間9万トン以上 約3,200社(荷主と合算)
ポイント💡 第一種(発荷主)と第二種(着荷主)は重量算定の対象が異なります。自社が「発荷主」「着荷主」のどちらに該当するか、あるいは両方に該当するかを正確に確認することが最初の一歩です。

また、コンビニチェーン本部などは「特定連鎖化事業者」として同等の義務を負います。


特定荷主に課される4つの義務

特定荷主に指定された事業者には、物流効率化の取り組み状況を把握・管理し、継続的な改善を進めるための4つの義務が課されます。

① 貨物重量の届出(毎年5月末)

前年度の取扱貨物重量が9万トン以上であれば、「貨物の運送の委託及び受渡しの状況届出書」をe-Gov電子申請で提出します。

② 定期報告(毎年7月末)

中長期計画に基づく取組状況を月別データで報告します。

荷待ち時間の計測は、全体の約50%以上をカバーするサンプリングでも可能です。

荷待ち時間が1時間未満の施設は、報告を省略できます。

③ 中長期計画の作成・提出(初年度は10月末まで)

5年以内の期間で、以下3領域の計画を策定します。

      • 積載効率の向上(1台あたりの貨物重量増加)
      • 荷待ち時間の短縮(バース混雑・日時集中の解消)
      • 荷役等時間の短縮(パレット化・検品効率化等)

内容に変更がなければ、最長5年間の再提出は不要です。

初年度(令和8年度)のみ、提出期限が10月末に延長される特例措置があります。

④ 物流統括管理者(CLO)の選任

物流統括管理者(CLO)は、経営幹部レベルから選任が求められる「最高物流責任者」です。

業務内容は単なる担当者業務ではなく、以下のような内容を担います。

    • 中長期計画・定期報告の作成統括
    • ドライバー負荷軽減方針の策定
    • 社内関連部門(営業・調達・製造等)間の連携体制構築
    • 設備投資・デジタル化・物流標準化の推進
    • 取引先との連携・交渉



義務違反時のペナルティ

義務違反時には、以下のようなペナルティが定められています。

違反内容 ペナルティ
届出義務違反・虚偽届出 50万円以下の罰金
中長期計画未提出 50万円以下の罰金
定期報告未実施・虚偽報告 50万円以下の罰金
CLO選任届出義務違反 20万円以下の過料
CLO未選任 100万円以下の罰金
命令違反 100万円以下の罰金

金銭的制裁以上に注目すべきは、勧告に従わない場合の「社名公表」制度です。

政府は主要荷主の取組状況を点数化し、「優良」から「注意を要する」まで4段階で評価・公表する仕組みも設けます。

企業にとっては、消費者の信頼失墜に直結するリスクとなり得ます。

物流効率化法が目指す数値目標

政府は令和10年までに、以下の目標を掲げています。

重要指標項目 目標
荷待ち・荷役時間削減 年間125時間/人 削減
積載率向上による輸送能力増加 44% 増加

また、各事業者は定められた努力義務を果たすため、取り組むべき内容として以下の内容が挙げられています。

対象事業者 主な取り組み内容
第一種荷主
(運送契約を締結する荷主)
・共同配送化やリードタイム見直しによる積載効率向上
・出入荷日時の調整や予約システム導入による荷待ち時間短縮
・パレット導入や検品効率化、バース確保による荷役時間短縮
第二種荷主
(貨物の受渡しを行う荷主)
・出入荷日時の調整や予約システム導入による荷待ち時間短縮
・バーコード等の商品識別タグ導入による検品効率化
・賞味期限の大括り化等による作業効率化(食品流通)
・フォークリフトや荷役作業員の適正配置による荷役効率向上
貨物自動車運送事業者等
(トラック事業者)
・輸送網の集約や共同配送による積載効率向上
・復荷(帰り荷)確保による実車率向上
・システム導入による配車・運行計画の最適化
・標準パレット活用や共同輸配送等の提案
貨物自動車関連事業者
(倉庫業者・港湾運送事業者等)
・出入荷時間調整や予約システム導入による荷待ち時間短縮
・検品効率化やバース確保による荷役時間短縮
・実施体制整備と効果の把握
連鎖化事業者
(フランチャイズチェーン本部)
・リードタイム確保や納品日集約による積載効率向上
・物流・販売・調達部門および加盟店との連携強化
・混雑時間帯を避けた日時指定やシステム導入による荷待ち時間短縮
一般消費者 ・置き配や宅配ボックス活用等による再配達削減
・返品削減や欠品ペナルティ見直し
・物流コストへの理解促進


このように、荷待ち時間の短縮と積載効率向上を最大の柱として、国・自治体・荷主・物流事業者・消費者まで、サプライチェーン全体での行動変容が求められています。

これらの目標を達成するため、国はパレット化や物流標準化、共同配送、物流DX、広報活動などを推進しています。

荷待ち時間の削減と標準化が重要テーマに

物流効率化法が特に重視しているのが、荷待ち時間の削減です。

物流現場では、トラックが到着してもすぐに荷卸しや積込みができず、長時間待機するケースが少なくありません。こうした待機時間はドライバーの拘束時間を増やし、輸送能力の低下につながっています。

そのため国は、バース予約システムの導入や受付業務のデジタル化、パレット輸送の推進などを通じて、荷役作業の効率化を進めています。

また、物流の標準化も重要なテーマです。パレットサイズや容器サイズ、荷姿を統一することで、積み替えや再梱包の手間を減らし、作業効率と輸送効率の向上を図ろうとしています。

物流DXと脱炭素化への対応

物流効率化法は単なる省力化だけを目的としたものではありません。

人手不足への対応として、自動倉庫やRFID、AIによる需要予測、配車最適化システムなどの物流DXも推進されています。

今後は、「人手を増やす」のではなく、「限られたスペース・人員で最大効率を実現する物流設計」が重要になります。

その中で、荷入りパレットの段積みを可能にし、保管・輸送効率を改善するソリューションへの注目も高まっています。

親和パッケージの【E-スリーブ】【フレキシブルラック】もそのひとつです。

【E-スリーブ】はパレットに取り付けて使用する段積み用アタッチメントで、物流効率化と物流コスト削減を同時に実現することが可能です。未使用時は折りたたんで保管できるため、倉庫内スペースの有効活用や保管効率の向上にも貢献します。

【フレキシブルラック】は11型パレットがそのまま入るサイズの為、パレットに製品を積み付けた状態のまま収容が可能です。また、側面パネルを取り外せば長尺物の取り扱いも可能なほか、フォークリフトから直接積み下ろすことも出来ます。




■E-スリーブについてはこちら
 



■フレキシブルラックについてはこちら

 



さらに、積載率向上や共同配送、モーダルシフトなどを通じたCO₂排出削減も重要なテーマとなっています。

物流効率化にはコスト削減だけでなく、環境負荷低減への取り組みも期待されています。

包装・梱包が物流効率化に果たす役割

物流効率化法で求められる積載効率向上や荷待ち時間の短縮は、包装や荷姿とも深く関係しています。

特にパレット輸送では、段積みできないことによる保管効率や積載効率の低下が課題となるケースもあります。また、倉庫スペース不足や輸送コストの上昇が進む中、限られた空間を有効活用できる物流設計が重要視されています。

親和パッケージの【E-スリーブ】【フレキシブルラック】は、荷入りパレットを安全に段積みできる環境を実現し、保管効率や輸送効率の向上をサポートする物流改善ソリューションです。

また、昨今の世界情勢を受けて多数お問合せを頂いている親和パッケージの【ラッシングネット】はワンタッチ装着で荷役負担軽減と、ストレッチフィルムのような使い捨て資材を使用せず繰り返し利用できるため、廃棄物の削減と環境負荷の低減を実現し、カーボンニュートラルに向けた取り組みにも貢献します。

物流効率化は、荷主企業、倉庫事業者、そして包装資材メーカーを含めたサプライチェーン全体で取り組むべきテーマといえるでしょう。



■ラッシングネットについてはこちら

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まとめ

物流効率化法の全面施行により、物流はこれまで以上に経営課題として位置付けられるようになりました。

荷待ち時間の削減やパレット化、物流DX、脱炭素化など、求められる対応は多岐にわたります。しかし、これらの取り組みは単なる法令対応にとどまらず、安定供給やコスト削減、企業競争力の向上にもつながります。

これからの時代は、「どう運ぶか」だけでなく、「どう効率よく物流を設計するか」が重要になります。

親和パッケージでは、包装設計の視点から物流効率化のお手伝いをしています。物流や包装に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

出典 本記事は2026年6月20日時点での内容をもとに掲載しています。詳細は所管の省庁へ最新情報をご確認ください。

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